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KYOTO Coffee<新田珈琲>の焙煎に関して

KYOTO Coffee<新田珈琲>で、使用しているのはどんなコーヒー?
どんな焙煎しているの?

質問にお答えします。

こんにちは、創業81年目「新田珈琲」焙煎士の新田和雄です。

自己紹介になりますが、自分は、
JCQA認定コーヒー鑑定士
CQI認定Qアラビカグレーダー
・SCAJアドバンスドコーヒーマイスター
・JBAバリスタLevel1
・コーヒーインストラクター3級トレーナー
などのコーヒー関連の資格を所有しております。

競技関連では、以下の「コーチ」経験があります。
・ジャパンカップテイスターズチャンピオンシップ 日本優勝
・ワールドカップテイスターズチャンピオンシップ 世界14位
・ジャパンハンドドリップチャンピオンシップ 日本3位

また、十数年の焙煎経験もあり、これらの知識や経験を活かし分かりやすく、説明していきたいと思います。

J.C.Q.A認定コーヒー鑑定士とは、コーヒーの国内最難関の資格といわれています。
2003年の資格開始から、現在40名の取得者数となっております。
コーヒーの正しい知識の普及と技術の向上を図る為に、全日本コーヒー商工組合連合会が認定しています。
https://kentei.jcqa.org/

目次

KYOTO Coffee <新田珈琲>で、使用しているコーヒーについて

今回は、KYOTO Coffe <新田珈琲>の賞味期限表示が、20220428のものに関しての内容になります。

2020年度に収穫された コロンビア の ウィラ で作られたコーヒーを使用しています。

珈琲には、格付けというものがあり、国によって違いますが、コロンビアでは、スクリーンサイズ(生豆の大きさ)で、規格が決まっており、最上級の「エクセルソ スプレモ」を使用しております。

味の特徴としては、赤道直下の国コロンビア産ということもあり、重厚な味わいと芳醇な風味が特徴となっております。

どのように焙煎しているのか?

ウィラ産コロンビアの 「芳醇で重厚な味わいと風味」を活かすために、フルシティローストに仕上げています。

KYOTO Coffee シリーズとして、店頭に並び、様々な方に手に取っていただくことを想定して、「芳醇でありながらも、飲みやすい。苦すぎなず、程々の明るさ感じる。」あたりを狙って商品作りをしております。

今回の製造では、13kgの生豆を焙煎する必要があったので、4kgと、9kgに分けて焙煎しております。

使用している焙煎機は、46年前に製造された富士珈琲機械製作所社製の15kgの半熱風式焙煎機となります。

ここから先は、少しマニアックになるかと思いますが、興味のある方もおられるかも知れませんので、記載しております。単語の詳細な説明などは、今回は割愛させて頂いておりますので、あらかじめご了承ください。

温度プロファイル

焙煎の温度プロファイルは、以下のようになります。

コロンビア ウィラ 4kg焙煎時の温度プロファイル
コロンビア ウィラ 9kg焙煎時の温度プロファイル

予熱後の1バッチ目で、4kgを、次に9kgを焼いております。

焙煎のフェーズ(段階)に関して

焙煎のフェーズ(段階)は、一般的には、3つの工程に分けて考えます。

ドライイングフェーズ

生豆投入から、水抜き(後述)までを指します

メイラードフェーズ

メイラード反応が進む工程、水抜きから、1ハゼまでの間を指します。

デベロップメントフェーズ

味の発達をさせる工程。1ハゼから、釜から出すまでの間を指します。

ハゼ
焙煎中に、コーヒー豆は、2回音を出して爆ぜ(ハゼ)ます。
最初は、1ハゼと呼び、焙煎が進むにつれて、炭酸ガスの発生により豆が膨張する際に「パチッ」となる音の事をいいます。さらに深く焼いていくと、今度は、焙煎豆の内部がより膨らむことにより、豆のハニカム構造が弾ける音が「ピチピチ」となります。こちらは、2ハゼといいます。

投入生豆量が違うので、焙煎時間は異なりますが、4kg焙煎、9kg焙煎の両方とも、大まかにですが、

  • ドライイングフェーズが、50%弱
  • メイラードフェーズが、30%強
  • デベロップメントフェーズが、20%前後

となっております。

狙ってその割合になるようにしているわけではなく、当店の焙煎機で、コロンビアの状態を見ながら、それに合わせた焼き方をした結果、このような感じになっています。

投入温度に関して

投入温度は、両方とも240度になっておりますが、投入量や、何バッチ目かによって、変更しています。

1kgを焙煎する場合などは、200度で投入することもあります。

中点(ボトム)に関して

中点(ボトム)とは、生豆を投入して温度が下がり、その後反転して温度が上がり始めるタイミングの事を指します。

  • 4kgの焙煎が、1分39秒で、116度
  • 9kgの焙煎が、1分42秒で、97度

となっておりますが、今使用している焙煎機に関して、あまり重要視せずに焙煎しております。

ドライイングフェーズに関して

焼くというより、温めるというイメージで考えています。

水抜き(ゴールデン)に関して

ドライイングフェーズの終わりのタイミングになります。温度プロファイルを見ると、両方とも、50%程度のタイミングになっていますが、狙っているわけではありません。もっと長くなることもあれば、短くなることもあります。

自分は、「投入後のこの時間では、この温度になるように」という焙煎のやり方ではなく、豆の状態がどうなっているか?その時々で、コーヒーの生豆がどう焼いて欲しがっているのか?という点を意識しています。

釜の蓄熱だけでなく、気温、湿度、生豆の温度、気圧、などによって焙煎する環境が毎回異なる為です。

メイラードフェーズに関して

ここは、これまでの前準備が、全て成分変化に活かされることを祈る時間になります。

デベロップメントフェーズに関して

自分の場合、豆の方向性にもよりますが、ここでは余計な味作りをせず、過度に焼いてしまうオーバーローストや、火力が足りないアンダーローストにならないよう、その豆が持っている持ち味を十分に引き出せるタイミングで、釜から出せるようにしています。

最後に

ショッピングセンターや、スーパーで販売している焙煎されたコーヒー豆の温度プロファイルなどは、普段公開されることはないので、興味もある方もおられるかと思い、記事にしました。どなたかの参考になれば幸いです。

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