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コーヒーと湯量とブリューレシオと吸水率の関係

作りたいコーヒーの分量に合わせた「湯量」と「粉量」の目安を知りたい。

こういう質問にお答えします。

こんにちは、創業81年目「新田珈琲」焙煎士の新田和雄です。

自己紹介になりますが、自分は、
JCQA認定コーヒー鑑定士
CQI認定Qアラビカグレーダー
・SCAJアドバンスドコーヒーマイスター
・JBAバリスタLevel1
・コーヒーインストラクター3級トレーナー
などのコーヒー関連の資格を所有しております。

競技関連では、以下の「コーチ」経験があります。
・ジャパンカップテイスターズチャンピオンシップ 日本優勝
・ワールドカップテイスターズチャンピオンシップ 世界14位
・ジャパンハンドドリップチャンピオンシップ 日本3位

また、十数年の焙煎経験もあり、これらの知識や経験を活かし分かりやすく、説明していきたいと思います。

J.C.Q.A認定コーヒー鑑定士とは、コーヒーの国内最難関の資格といわれています。
2003年の資格開始から、現在40名の取得者数となっております。
コーヒーの正しい知識の普及と技術の向上を図る為に、全日本コーヒー商工組合連合会が認定しています。
https://kentei.jcqa.org/

目次

必要なパラメーター

「湯量」と「粉量」を求める際に必要なパラメータは、以下の3つになります。

  • 作りたい量(g)
  • 抽出比率(ブリューレシオ)
  • 粉の水分吸収率(%)

いきなり、わからない単語が出てきて驚かれた方もおられるかと思いますが、作りたい量以外は、大体の目安の数値が決まっているので安心して下さい。

作りたい量(g)

抽出したいコーヒーの量になります。単位を合わせる為に g(グラム)で表示しておりますが、適宜、cc などで読み替えて下さい。

  • 一般的なコーヒーカップの場合、120g〜125g程度
  • マグカップの場合、150g〜

抽出比率(ブリューレシオ)

コーヒーの粉を1と考えた時の使用するお湯の量になります。

コーヒーの粉が10gで、注湯する量が、150g の場合は、1:15となります。

この数値は、主に濃度に影響します。今回は暫定で、15という数値を使います。

単純に濃くしたい場合は、14、13などと小さい数字にして下さい。逆に薄くしたい場合は、16、17の様に大きい数字にして下さい。

ブリューレシオに関しては、以下の記事も参考にしてください。

粉の水分吸収率(%)

コーヒーを抽出した後に、粉にどれくらいのお湯が吸収されているかという数値になります。

10gのコーヒーの粉を使用して、抽出後に 粉が20g の水分を含んでいた場合は、

20g(吸水量) ÷ 10g(粉の重さ)= 2倍(200%)

となります。この数値は、粉の細かさや、お湯と粉の接触時間の影響も大きいので、コーヒーの淹れ方は同じ場合という条件になります。

一般的にコーヒーが給水する量の目安は、粉量の2倍から2.5倍と考える事が多いので、ここでは暫定で、200%という値を使用します。

最終的な誤差が大きい場合は、各々の環境に合わせてこの数値を修正して下さい。

ちなみに給水量の求め方は、コーヒーを最後まで落とし切る抽出方法を前提として、

給水量 = 抽出後(ドリッパー + 粉 + 吸収した水分) − 抽出前(ドリッパー + 粉)

もしくは、単純に

給水量 = 使用した湯量 − 抽出されたコーヒー量

と、なります。

具体的な例

  • 作りたい量が、130g(任意)
  • レシオが、15(任意)
  • 吸収率が、200%(任意)

という条件があると仮定した時、

作りたい量 = 湯量 ー 吸水量

という関係が、ありますので、それぞれを粉量からの計算式に置き換えると、

作りたい量 = 湯量(粉量×レシオ)ー 吸水量(粉量×吸水率÷100)

のように()内の式に置き換えられます。

これを進めていきますと、

作りたい量 = 粉量×レシオ - 粉量×吸水率÷100

作りたい量 = 粉量×(レシオ - 吸水率÷100)

で、粉量を表す式にすると、以下のようになります。

粉量 = 作りたい量 ÷ (レシオ - 吸水率÷100)

この時、吸水率200%、レシオ15とすると

粉量 = 作りたい量 ÷ (15 - 200÷100)

粉量 = 作りたい量 ÷ (15 - 2)

粉量 = 作りたい量 ÷ 13

この時、作りたい量が、130gとすると

粉量 = 130 ÷ 13

粉量 = 10

必要な湯量は、レシオ倍すればいいので、

湯量 = 粉量 × レシオ

湯量 = 10 × 15

湯量 = 150

という感じになります。

関係を表にしてみる

参考に吸水率と抽出比率を変更した場合の粉量と、湯量の表を載せておきます。

必要な抽出量130130130
吸水率200225250
レシオ粉量湯量粉量湯量粉量湯量
1016.2516316.7716817.33173
1114.4415914.8616315.29168
1213.0015613.3316013.68164
1311.8215412.0915712.38161
1410.8315211.0615511.30158
1510.0015010.2015310.40156
169.291499.451519.63154
178.671478.811508.97152
188.131468.251498.39151
197.651457.761477.88150
207.221447.321467.43149

まとめ

ざっくりとでいい場合は、以下の式を使って下さい。(細かい対応が必要な場合は、記事の内容を参考にしてパラメータを修正して下さい。)

粉量 = 作りたい量 ÷ 13

湯量 = 15 × 粉量

※あくまで1杯分の落とし切りの抽出方法を前提としています。2杯分、3杯分となる場合や、ドリッパーにお湯を残して抽出を終える場合などは、それぞれ式が変わりますので、味の均一性が必要な場合は、調整してご利用下さい。

さいごに

この計算や式は、ざっくりとした数量を知るための目安ですので、あくまで参考程度のものになります。

今回の記事のように複数の数値(パラメータ)を使用することで、必要なレシピの分量を計算できますので、また色々と応用して頂ければと思います。

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